数年前から介護保険の認定を受けている私の両親、幸いにも1時間以内の距離に住んでいますが、いよいよ結構な年齢となっています。
ファイナンシャルプランナー(以降FP)の知識を活かして、介護期に「どんな支えを受けたいか」よりも「どう生きたいか」を、家族で話し合いたいと思っていました。
前回の記事で、時間軸とやりたいこと軸をマトリクスで分析できる、3つのヒアリングシートを作成しました。
この記事では、ヒアリングシートをきっかけに実際に両親と話してみて、印象的だったことを紹介します。
ヒアリングシートのおさらい
ヒアリングシートは選択式で、時間軸とやりたいこと軸で、3×3のマトリクスで分析できるように作りました。
| 困っている | 充足している | こうしたい | |
| 現状 | |||
| 夫婦ふたり | |||
| 自分ひとり |
そして、直感的に答えられて負担を軽くし、ヒアリング結果の分析をしやすくするために、設問は複数選択肢方式+その他記述式としたのがポイントです。
以下のリンクに、マークダウン形式のテキストファイルをおいてあります。
ヒアリングで感じたこと
ある週末、両親宅を訪問して帰り際に、「今度来るときに、やってもらいたいことがあるから」と予告しました。
「何を?」と父親に聞かれたので、「これからどう生きたいか、知りたいんだよね」と答えると、「そうか。わかった」との返事です。
そして翌週に、2人分のヒアリングシートを紙に印刷して、両親宅を訪問し、この時初めて、「実は、ファイナンシャルプランナーの資格を取ったんだよ」と伝え、AFPの認定証と、ライセンスカードを見せました。
すると父親が、「それは頼もしいな」と言ってくれたので、いい歳なのに私はちょっと照れてうれしい気持ちになり、「まずは家族の役に立ちたいんだよ」と伝えました。
そんなアイスブレイク?のあと、両親にヒアリングシートを渡し、「選択肢方式になっているから、当てはまるところをチェックして」とお願いすると、2人ともさっそく記入を始めます。
現状・夫婦ふたり・自分ひとりの3つのシートで結構な設問数ですが、途中で何度か質問が出たもののサクサク記入は進み、30分ほどで、3つのシートの記入が終わりました。
設問が複数選択肢方式だと、回答にあまり悩まずに答えてくれるのを、実感できました。
そしてこの日は、「書いてくれたシートを分析するから、来週はその結果の話をしよう」と両親に伝えて帰宅しました。
Step.1 ヒアリング回答の分析(3×3マトリクス)
翌週の平日、本業で働いて家に帰ってからは、両親のヒアリングシートの分析を進めます。
複数選択肢方式としたことで、自由記述では答えにくい、答えがぱっと出てこないことも回答してくれているため、本人の考えや思いが把握しやすかったです。
また、つらい/不安など、言葉で書くと言いにくいことも、選択式で選ぶのは気が楽だったようで、気持ちが回答に表れていました。
特に、直接は言いにくい・聞きにくいような回答を得られたことが、とても印象的でした。
| 困っている | 充足している | こうしたい | |
|---|---|---|---|
| ① 現状 | ・生活満足度がやや低い ・健康面で不安がある |
・住まいの安全性は良好 | ・自立した生活をしたい |
| ② 夫婦ふたり | ・定期的に訪問してほしい ・買い物などを手伝ってほしい |
・お金の心配はあまりしていない ・友人との交流は継続 |
・家族に負担をかけず、夫婦で支えあって生活したい |
| ③ 自分ひとり | ・家族に見守ってほしい | ・感謝の気持ちを伝えておきたい | ・自宅で穏やかに暮らしたい ・安心できる施設を探したい |
「困っている/充足している/こうしたい」の分類は、分析に役立ちました
Step.2 気持ちの確かめと意見交換
次のステップは、分析したことをもとに意見交換ができるように、両親の思いを言葉にして整理することです。
以下の内容を、短い言葉と箇条書きで整理して、本人の思いと合致しているのかをすり合わせられるようにしました。
- 全体方針
- どう生きたいか
- 基本方針
- どう支援し、何をするか
- 準備すべきこと
- 財産・手続き
- 支援
- 医療
- 住まい
- 誰かと話し合うこと
- ケアマネージャー
- 家族
- 主治医
- 友人・地域
- 専門家
- 次の面談ーテーマ案
- 生活
- 住まい
- 健康
- 財産
- 家族
「準備すべきこと」「誰かと話し合うこと」「次の面談ーテーマ案」は、「困っていること」と「こうしたい」の答えですが、その他にも選択肢はあるはずです。
そして、これをきっかけに両親と、「どう生きたいか」につながる意見交換ができました。
「どう生きたいか」を、自然と一緒に考えられました
Step.3 すぐにやってみることを決める
ここまでの会話で、両親は自己を見つめ直し、家族から見た自分を知ることができ、私は両親の気持ちを深く知り、自分の思いを伝えることができました。
そしてこの日のしめくくりは、すぐにやってみることを決めることです。
自然な流れで具体的なアクションが決まり、それを文字にした提案書を、後日2人に渡しました。
■現時点の意向
– 家族に過度に頼ることなく、穏やかに、自力で自宅で生活したい
– 施設にはお世話にならずに、自宅で生活したい
■提案
– やりすぎをやめて、自分の負担を減らす
– 支援してもらうことで自分が楽になりそうなことを考える
– 一人でも家で暮らしていけるための、準備をする
心と体の健康維持
– 現在できていることを継続して、体力養い、体調を整える
– 体力・気力を養い、人・地域とのつながりを持つ
– 言い過ぎずやりすぎず、で、心の負担を減らす
軽支援サービスの導入
– 自分の負担が減らせることを決めて、試してみる
– 無理はしないが、できることはマイペースで続けていく
まとめとこれから
複数選択肢方式のヒアリングシートを使ったことで、以下のような効果があったと実感しました。
- 「一緒に考える時間」を、作るきっかけになった
- 自然と深い会話ができ、「どう生きたいか」を一緒に考えられた
この記事は以上です。
自分や家族の悩みを解決できるようになったら、身近な人の悩みもサポートできるといいな
思いにすこしだけ、近づいた気がしました。
